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心臓ってどんな臓器?

[2024.04.08]

 私たちの体内で休むことなく脈を打ち続けている心臓は、生命を維持するためになくてはならない臓器です。心臓が止まれば生物は当然死に至ります。しかし動悸や痛みがない限り、心臓を気に掛ける人はほとんどいません。

 心臓は小さな筋肉細胞がたくさん集まってできていて、心筋細胞の数は約100億個といわれています。心臓の筋肉は収縮と弛緩を繰り返すことでポンプのように働いて、全身に血液を送り出しています。この収縮と弛緩は1分間に約70回、1日に約10万回繰り返されています。

 心臓からは1分間に約4〜8リットル(やかん1個分)の血液が送り出されています。この血液の流れのことを循環といい、全身に送り出されて戻ってくる血液の流れを体循環、肺に送られて戻ってくる血液の流れを肺循環といいます。体循環では新鮮な酸素を含んだ血液が全身に送られて、二酸化炭素や老廃物を回収して心臓に戻り、その血液は肺循環によって肺に送られ、新鮮な酸素と栄養を取り込んできれいな血液となって心臓に戻り、再び体循環で全身に送られます。

 心臓の内部は上部にある心房と、下部にある心室に分かれ、それぞれ左右に一つずつあり、右心房、右心室、左心房、左心室の4部屋で構成されています。血液は心房から心室へ、そして左の心室からは全身へ、右の心室からは肺へ送られます。

 また、胎児の心臓は受精して1週間もたたないうちに動き始めます。胎児は母体では羊水のなかにいるためまだ肺呼吸はしていません。その代わり母体にいる胎児の心臓には穴があいていて、体循環で戻ってきた血液は肺循環の代わりに胎盤に送られ、きれいな血液となって体に戻ってくるしくみになっています。

 そしてこの穴は生まれた瞬間にふさがります。赤ちゃんがおぎゃあと泣いた瞬間、肺に空気が入って膨らむことで穴はふさがり、血液の流れも体循環・肺循環へと切り替わるのです。

 この巧妙なシステムはまさに生命の神秘といっていいと思います。

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