勝負所・・・
新年早々、来年大学受験を控える息子が神妙な面持ちで部屋に入ってきた。彼曰く、自分は意志が弱く、勉強していてもついついユーチューブをみてしまう。そこでタブレットを入れ設定した時間がくるまで絶対に開かない小さな箱をアマゾンで購入したい、とのことだった。そんなものに頼らなくても・・と思いながら、受験まであと一年あるが〝今が勝負所〟と判断した彼の決意を尊重しOKを出した。
考えてみれば、わたくしたちは人生の中でいくつもの勝負所に鉢合わせる。急性期病院で勤務をしていた時は、人工呼吸器をつけるべきか、どの治療を選択すべきか・・など迅速な決断を迫られる勝負所が毎日のようにあった。開業してからは、昨年新型コロナウイルス感染症のため、早速クリニック存続にも影響する判断を強いられた。想定外であったが、まさに勝負所であった。
そんなこれまでの多くの勝負所にすべて〝勝った〟わけでは当然ない。負けて多くを学んだこともある。そう大局的に見れば、〝勝ち〟や〝負け〟という結果以上に、どれだけ本気に物事に取り組んだかというプロセスの方に意味があったと思うことは少なくない。
新しいワクチンの接種が世界各地で始まり、大きな期待が寄せられている。日本でも医療崩壊が現実味を帯びている地域が出てきている中、感染を抑え込むことができるかどうか、まさに勝負所である。これまでに大規模に接種されたことがない新しいタイプのワクチンであり、有効性や安全性の面で不透明な部分も多いのも事実であるが、世界中の叡智を集めることで、これだけ早くワクチンが開発された(インフルエンザの場合、ワクチン市販までに約30年かかっている)というプロセスは評価されるべきであり、今後のウイルスに対する医療を大きく変えていくのだと思う。
本年も地域の皆様の健康不安に少しでも寄り添うことができるよう、スタッフ一丸で取り組んでいきますのでよろしくお願いいたします!