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不整脈について

心拍のゆらぎ

shinpaku

心臓の拍動である心拍は、自律神経(交感神経や副交感神経)によって調節を受けます。運動や精神的興奮がないときでも、呼吸や血圧変動により心拍は周期性を持って変動します。それを生理的心拍変動、“心拍のゆらぎ”と言います。

 

不整脈とは

不整脈は、そのような生理的な心拍のゆらぎを超えた、“心拍リズムの乱れ”ということができます。それでは、不整脈は病気なのでしょうか?

生理的ではないという点では、病的と言えるかもしれませんが、実際には治療を必要としない不整脈の方が圧倒的に多いのです。

 

不整脈の分類

では、治療が必要な不整脈にはどのようなものがあるでしょうか。不整脈にはいくつも種類があるため、以下のように分類して説明します。

 

心拍数で分ける!

正常心拍数は60〜100拍/分。

 

心拍数が60拍/分より少ない場合

徐脈(徐拍)といい、房室ブロックや洞機能不全症候群など。

徐脈の多くは治療を必要としませんが、息切れや気が遠くなる、意識がなくなるなどの症状の原因となる場合は、ペースメーカー植え込みなどの治療が必要です。

心拍数が100拍/分より多い場合

頻脈(頻拍)といい、上室性もしくは心室性頻拍、心房細動など。

頻脈は徐脈とは対照的に治療が必要となる場合が多いです。薬物治療とカテーテル治療がありますが、根治が期待出来るのは後者です。

 

原因で分ける!

二次性不整脈:明らかな原因(心不全や心筋梗塞など)がある場合

原因疾患に対する治療が優先されます。

原発性(特発性)不整脈:明らかな原因がない(こちらの方が多い!)場合

→ 不整脈そのものに治療(抗不整脈薬やカテーテル治療)を行います。

 

緊急性で分ける!

  • 致死的で緊急性が高い不整脈

→ 心室頻拍や心室細動といった不整脈で、意識消失やショック、心肺停止に至る可能性が高い! 専門医療施設での治療が必要です。

  • 致死的ではないが、治療が必要な不整脈

→ 発作性上室性頻拍、心房細動、房室ブロックなどの不整脈。カテーテル治療やペースメーカー植え込みの適応判断が必要です。

  • 治療が不要な不整脈

→ 期外収縮や無症候性(症状のない)徐脈などの不整脈。多くの場合は経過観察となります。

 

不整脈の診断について

そのような不整脈をどのように診断していくのでしょうか。これから不整脈の検査を受けようと考えておられる方は、以下のことを知っておいて下さい。

“ないない尽くし”の不整脈

動悸などの症状があり、不整脈を心配され受診された方皆が必ずしも診断に至るとは限りません。それは不整脈が以下のような性質を持っているからです。

➀不整脈は目に見えない

狭心症や弁膜症といった心臓病は、症状がないときに検査しても、心臓超音波検査やCT、血管造影といった画像検査で異常を可視化できますが、不整脈はそのような検査では見つかりません。

②不整脈は必ずしも器質的な異常を伴わない

➀にも重なりますが、不整脈は心不全など、これまで何の異常も言われたことのない健康な方にも起こってきます。

③不整脈はいつ起こるかわからない

発作は予兆などを伴うことは少なく、受診された時や検査中にタイミングよく生じることは稀です。

④そもそも不整脈はないかもしれない

ドキドキとした動悸や、たまに胸がキュンと痛む、などの症状全てが、不整脈によるものとは限りません。

 

それらを踏まえ、具体的にはどのような検査をしていくのでしょうか?

器質的な心臓病の有無を確認する

上述したように必ずしも心臓病が背景にあるとは限りませんが、ある場合は原疾患に対する治療が不整脈に対する治療になります。胸部レントゲン、12誘導心電図、心臓超音波検査などを行います。

 

血液検査値の異常の有無を確認する

貧血、電解質異常、甲状腺ホルモン値の異常などを確認します。

 

長時間心電図の記録を行う

ホルター心電図や、植え込み型ループレコーダーなど、長い時間記録すればするほど、不整脈の捕捉率は上がります。

*以上のような検査は当クリニックにて施行可能です。

 

不整脈のセルフチェック(自己検脈)に関して

先述しましたように、不整脈はいつ起こるか分からないため、症状がある時のセルフチェック(自己検脈)が診断に極めて有効です。その方法を以下に示します。

 

手首の親指側を上図のように優しく押さえます。そこでは橈骨動脈の拍動を触知することができます。拍動の速さ(徐脈や頻脈)や脈不整の有無を確認することができます。

 

最近ではリストウォッチに脈拍や心電図記録が可能なものもあります。

 このような携帯型心電図記録器も市販されており(市販価格は約25,000円)、より正確に診断が可能です。

 

最後に危険な不整脈の見分け方(このような動悸は要注意!)を説明します

  • 動悸の始まりと終わりがはっきりしている。
  • 胸の痛みや圧迫感、冷や汗を伴う動悸を自覚したことがある。
  • 目の前が暗くなったり、意識がなくしたことがある。
  • 血縁家族に50歳前で突然死された方がいる。

 

 動悸症状をお持ちの方で、上述に当てはまる項目が一つでもある場合は、早めの検査が必要ですので是非ご相談ください。

 

 

 

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