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私のおすすめの一冊

[2020.04.28]

「わかりあえないことから」平田オリザ著;講談社現代新書


 優しいけど手術が下手な先生と、怖いけど手術が上手な先生のどっちがいい?みなさんこんな質問を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。


 もちろん優しくて手術が上手な先生であるに越したことはないのでしょうが、医師の中にはコミュニケーションに難があるものも少なくないため、こんな質問がみられるのでしょう。


 開業をして5月で一年。私もまたそんなコミュニケーションに難があると考える医師の一人です。専門が循環器内科という心臓疾患を扱う分野だけに、急性期を多くみていた勤務医時代は、カテーテル手術や心不全の急性期治療の成否が医師の価値を決めていたと言っても過言ではありませんでした。そのためスタッフや患者さんへ 要求 する場面も少なくありませんでしたが、それでも技術を磨くことで20年間乗り切ってきた感じです。


 翻って開業医は、そもそも病状の安定した患者さんがほとんどであり、治療というものが 安定を維持させる ことであり、変化を求める方は多くありません。その中で自分の役割は?どのような言葉かけが正解なの?そんなことを模索し続けた一年であったように思えます。

 そんな私にコミュニケーション能力 とはどういうものかを、丁寧に教えていただいたのが、この一冊です。先の見えない自粛生活を有意義に過ごす一助になればと思いご紹介させていただきます。

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