年のはじめに、身近な医療を思う
新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)(万葉集)
新しい年を迎えました。
この歌は、「年の初めに降る雪が、良いことを幾重にももたらしてくれますように」と願う一首です。万葉の時代から、人々は年の始まりに、静かにこれからの日々を思い描いてきたのだと思います。
一月は、心身ともに少し緊張の抜ける時期でもあります。年末年始の疲れが出たり、寒さで体調を崩したり。
診察室でも、「お正月は何とか乗り切れましたが…」という言葉を耳にすることが増えます。
医療の世界では今、「かかりつけ医」という言葉があらためて注目されています。制度の話として語られることも多いのですが、私自身は、もっと素朴な意味合いを大切にしたいと考えています。
それは、何かあったときに、まず顔が浮かぶ医師がいること。
調子の良いときも、そうでないときも、変化を一緒に見ていけること。
万葉集の歌人たちは、季節の移ろいや日々の出来事を、驚くほど丁寧に言葉に残しました。
一日一日の体調や暮らしの変化に目を向けることは、現代医療においても変わらず大切な姿勢だと思います。
血圧の数字や検査結果だけでなく、
「この冬はよく眠れていますか」
「食事はおいしく感じられていますか」
そんな何気ない会話の積み重ねが、病気の早期発見や、安心につながることも少なくありません。新しい年の始まりに、ぜひ考えてみてください。
「何かあったとき、誰に相談しようか」
その答えがはっきりしていることは、これからの一年を穏やかに過ごすための、大切な備えになります。
本年も、皆さまの暮らしに寄り添いながら、身近で、相談しやすい医療を続けていきたいと考えています。
どうぞ、気になることがあれば、遠慮なくお声がけください。
