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優しくなければ・・

[2020.12.01]

  〝最近の若い人は、ストレスに弱くなったよね、良い意味で優しいけど・・〟という会話は、私達世代のあるある話である。高校生である息子やその友達を見ていても、背が高く痩せ型で、顔も中性的な子どもが多く、姿・形さえも変わっていることを考えると、これも一種の進化なのかとさえ感じてしまう。

 〝ホモ・サピエンス〟私達は生き残っている唯一の人類であるが、約30万年前に出現して以来、少なくとも4種の人類と共存していたことが分かっている。その中で何故私達だけが生き残ったのだろうか。例えばネアンデルタール人、彼もしくは彼女たちは、私達人類よりも筋骨たくましく屈強であった。さらに死者を埋葬し、病人を介護し、装飾品を身に着けるという高度な文化を持ち、知能も同等程度であったと考えられている。ホモ・サピエンスとネアンデルタールら他の人類との違いは骨格に大きく現れている。ホモ・サピエンスは他の人類よりも眉上弓が低く、顔が小さく、頭も小さい。このような骨格の変化は、男性ホルモンであるテストステロンの減少と、幸せホルモンとも呼ばれるセロトニンの増加によってもたらされるようだ。つまり私達人類は、他の人類に比し攻撃性が低下し、協調性が増大していたことが示唆され、それが生き残りの鍵になったようだ。

 先日、新型コロナウイルスに関する興味深い論文が出た。要は、ネアンデルタール人のある遺伝子を有する人が重症化しやすいというのである。アメリカでは、寛容性を欠いた大統領がわずか一期でその席を辞することになった(おそらくなるだろう。)

 私達は今まさに〝優しく、寛容でなければ、生きていけない〟時代に生きているのだと思う。

 

 

 

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