〝孤独〟について
少しでも時間が空くと、ついつい動画をみてしまう今日この頃。今はまっている動画が、〝ソロキャンプ〟いわゆる独りキャンプの動画です。小さい頃ボーイスカウトで毎月のようにキャンプをしていた時期もあったためか、火起こしやテント設営、飯合炊きなどをみていると少し疲れが取れます。
ソロキャンプやソロハイキング、独り飯など〝独り〟をポジティブに楽しむ方が増えてきている反面、ひきこもり、孤独死といったネガティブワードを耳にすることも多いような気がします。SNSなどで容易に多くの方と繋がることができるようになったことで、そこに生きづらさを感じる人が多くなったことを反映しているのだろうかとも思います。
コロナが収束したら・・。以前このブログで、収束したらクリニック周囲を患者さんたちとウォーキングするイベントをしたいと書きましたが、その後通院されている患者さんの一人から早速、そのようなイベントをする際には声掛けくださいとお名刺をいただきました。聞けばその方は近隣の同年代の方に積極的に声掛けをし、ウォーキングなどでコミュニケーションをとっているとのことでした。
在宅診療を始め、患者さんの家に赴くと感じることがあります。ある方はカセットテープに録音した歌謡曲でカラオケし、ある人は詩文を吟じ、そうやって皆さんそれぞれが”孤独“と戦っているのだと。孤独が健康に与える影響を系統的に評価した研究は意外に少ないのですが、英国では以前から注目され、孤独を解消させることがsocial prescribing(社会的処方)として、家庭医が行う医療の一つに位置付けられています。日本では緩和医療や在宅医療の現場でくすぶっていた程度でしたが、期せずしてコロナ禍にそれは表面化し、先日の国会質疑でも取り上げられていました。
もちろん中には“余計なお節介”と感じる方もいらっしゃるでしょうが、患者さん同士が繋がり、能動的に助け合えるようになるためクリニックとして何ができるか。そのようなことも模索していかなければと感じています。